RCC被爆70年プロジェクト 未来へ
局報

被爆70年に際し、広島県内の視聴者・聴取者にメッセージを届けるテレビ・ラジオ局報(局CM)を製作します。

阿川佐和子さんからのメッセージ

私は昭和28年生まれで、考えてみると、終戦からたった8年後に生まれているわけです。私を含め、あの頃に生まれた人間は、生まれ年が1年違うだけで経済状況の記憶が違う、それほどに、ものすごく高度成長した日本でした。それだけに、小学生の頃に聞いた、あの戦争の話は、たった20年ほど前なのに、すごく前の話だと感じていました。
昭和20年からの20年を生きた、日本人のバイタリティ、底力からはすさまじいなと、特に、一瞬に一面焼野原にされた広島・長崎の人たちに対しては特に思います。幸いながら、阿川家は原爆の被害はあまり受けませんでしたが、被爆された広島の父の友人は、笑いながら「そりゃ、酷かったよ。ただ、前に進まにゃいけんかったけえね。」というよう話をしていたことをよく覚えています。家族、自分の街が復興する事しか考えていなかったと。悲しい事で、たくさん泣いて辛い思いをして、だけど、前を進むしかないという人々に対し、本当に敬服します。
といいながら、父は戦争に行っていたし、海軍の生業を作家として書いてきた人間なので、阿川家では、戦争について聞かされた方だと思います。しかし、私の周りでは、あんなひどい話を「思い出したくない」「伝えたくない」と、子ども達に話していない親御さんが多かった気がします。
いま、戦争を肌身で感じた方々は、80歳以上となりますよね。
「今だから、私たちに話しておいて欲しい。」という気持ちを持っています。
酷い目にあった時に、どう立ち直るかの知恵を、先人に教えてもらう必要があると思います。

阿川佐和子

阿川佐和子さん プロフィール

広島市出身の作家阿川弘之氏の長女として、東京都に生まれる。
自身も幼少期の1年間を広島で過ごす。 大学卒業後、TVリポーター・キャスターなどを務める傍ら、小説・エッセイも多数執筆。
2012年に発売した著著「聞く力」は、現在でも売れ続けるロングセラーとなっている。